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EBioMedicine · 2026年5月 · 無作為化・非盲検・単一施設 · 147名

臍帯由来MSCの点滴をフレイルのある高齢者147名で調べた非盲検の第2相試験

ベトナム・ハノイの Vinmec 幹細胞・遺伝子技術研究所が行った、他家臍帯由来間葉系幹細胞(MSC)の静脈内投与に関する第2相試験の結果が、2026年5月に EBioMedicine 誌(Lancet 系列のオープンアクセス誌)に掲載されました。60〜85歳のフレイルのある高齢者147名を対象とし、治療に関連する重篤な有害事象はなく、9か月時点の身体機能スコア(SPPB)は対照群より1.1点高いと報告されています。無作為化されていますが、盲検化されていない試験です。

この記事について

このページは、海外を含む幹細胞研究の論文・臨床試験・報道を日本語で紹介する記事です。紹介する試験の結果は、その試験で用いられた細胞製品・投与方法・対象者に限られ、他の製品や当社がご案内する治療の効果を示すものではありません。当社は紹介する研究・製品に関与していません(関与がある場合は記事内に明記します)。このページでは治療のご案内は行っていません。

研究情報

掲載誌
EBioMedicine(2026年5月号。オンライン公開は2026年4月21日)
試験デザイン
無作為化、非盲検(オープンラベル)、対照あり、単一施設、第2相。Vinmec Times City 国際総合病院(ハノイ)、2021〜2024年
登録番号
NCT04919135 ↗(登録上は第1/2相、実登録158名、盲検は single)
対象
60〜85歳で、改良 Fried 基準を3項目以上満たすフレイルのある高齢者 147名
介入
他家臍帯由来MSC 1.5×106 個/kg を3か月間隔で2回静脈内投与し、経口サプリメントを併用。対照群はサプリメントのみ
主要評価項目
登録上の主要評価項目は有害事象と重篤な有害事象(安全性)。有効性の指標は SPPB、握力、身体活動量、疲労、膝機能、QOL
結果
治療に関連する重篤な有害事象なし。軽度の有害事象 12件(頭痛、めまい、胸部不快感)はいずれも自然に軽快。9か月時点の SPPB は対照群より最小二乗平均で 1.1 点高い(95%信頼区間 0.6〜1.6)
追跡期間
9か月
資金
Vingroup(Vinmec の親会社)の助成 ISC.21.11
利益相反
著者全員が ICMJE の書式で申告し、競合する利益はないとしている

試験の概要

この試験は、ハノイの1つの病院で、フレイルのある高齢者に他家臍帯由来MSCを点滴で2回投与し、安全性を主要な目的として調べたものです。参加者は、点滴と経口サプリメントを受ける群と、サプリメントのみの群に無作為に割り付けられました。プラセボの点滴は行われておらず、参加者も評価者も割り付けを知っている非盲検の設計です。

有効性の指標として、椅子からの立ち上がりや歩行速度などを組み合わせた身体機能スコア(SPPB、0〜12点)のほか、握力、身体活動量、疲労、膝の機能、生活の質が測定されました。

主な結果

治療に関連する重篤な有害事象は報告されていません。軽度の有害事象は12件で、頭痛、めまい、胸部不快感が含まれ、いずれも処置なしに軽快したとされています。

9か月時点の SPPB は、対照群と比べて最小二乗平均で1.1点高く、95%信頼区間は0.6〜1.6でした。抄録では、この結果を第3相試験を行う根拠と位置づけており、著者ら自身が「より大規模で二重盲検の多施設試験」の必要性を述べています。

読むときの注意点

  • 盲検化されていません。 参加者は自分が点滴を受けたことを知っています。SPPB は測定に基づく指標ですが、歩行速度や立ち上がりの回数には本人の意欲が影響するため、期待による効果を除けません。プラセボの点滴を受ける対照群がないことも同じ方向に働きます。
  • 登録上の主要評価項目は安全性です。 SPPB を含む有効性の指標は副次的な位置づけで、この試験は有効性を確認するために設計されたものではありません。
  • 単一施設の試験です。 他の施設、他の集団で同じ結果が得られるかは分かりません。
  • 資金は実施施設の親会社が提供しています。 著者は利益相反なしと申告していますが、資金源と実施主体が同じ企業グループに属します。
  • 1.1点の差の意味は対象集団によって異なります。 SPPB は0〜12点の尺度で、日常生活上どの程度の変化に相当するかは、参加者のベースラインの状態によって変わります。

結果の範囲

この結果が示していること

  • この試験の条件(1.5×106 個/kg を2回、9か月の追跡)で、治療に関連する重篤な有害事象は報告されなかったこと
  • 非盲検の比較で、9か月時点の SPPB が対照群より高かったこと

この結果が示していないこと

  • 盲検化された試験で同じ差が出ること(この試験では確認できません)
  • この結果が他の臍帯由来MSC製品に当てはまること(細胞の採取法、培養法、投与量が製品ごとに異なります)
  • 生活機能や要介護度の改善(抄録に記載がありません)
  • 9か月を超える長期の安全性
出典
  • Nguyen LT, Nguyen KT, Dao LTM, et al. Safety and efficacy of allogeneic umbilical cord-derived mesenchymal stem cell infusion for frailty: a phase 2, single-centre, randomised, open-label controlled trial. EBioMedicine. 2026;125:106268. doi:10.1016/j.ebiom.2026.106268 ↗ · PubMed 42019090 ↗
  • ClinicalTrials.gov 登録情報 NCT04919135 ↗(主要評価項目、盲検の種類、登録人数を確認)
この記事について

このページは、海外を含む幹細胞研究の論文・臨床試験・報道を日本語で紹介する記事です。紹介する試験の結果は、その試験で用いられた細胞製品・投与方法・対象者に限られ、他の製品や当社がご案内する治療の効果を示すものではありません。当社は紹介する研究・製品に関与していません(関与がある場合は記事内に明記します)。このページでは治療のご案内は行っていません。

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